Press Release Jun 03, 2025
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第25回ニッポン・コネクション日本映画祭 受賞作品
25周年記念開催で来場者数の記録更新 // 日本からも多数のゲスト
25周年を迎えたニッポン・コネクション日本映画祭は、6日間にわたる忘れがたい映画体験を経て閉幕しました。今回の記念すべき映画祭では、6日間で20.000人の来場者を記録し、再び来場者数の新記録を樹立、ヘッセン州における観客動員数最多を誇る映画祭としての地位を確固たるものとしました。フランクフルト市内10カ所の会場で開催された映画・文化イベントのほとんどは、短時間でチケットが完売となり、200名を超える日本および国際的な映画制作者やアーティストが来場し、観客との活発な交流が繰り広げられました。
6月1日(日)、授賞式が行われ、第25回ニッポン・コネクション日本映画祭は華やかに幕を閉じました。今年のニッポン・ライジングスター賞は、美術監督である林孝輔氏に授与されました。この賞は、日本映画界の将来を担う若き才能に贈られるものです。林孝輔氏は、百瀬義行監督によるアニメーション映画『屋根裏のラジャー』の美術監督や宮﨑駿監督による『君たちはどう生きるか』の背景美術を務めたことで広く知られています。本賞は京セラドキュメントソリューションズの協賛により授与されました。
本映画祭では、国際審査員を務めた瀬田なつき氏(映画監督)、トーマス・ヴァルトナー氏(Film Verleih Gruppe)、そしてパナヨティス・コツァサナシス氏(映画評論家)の3名により、2つの賞が授与されました。ニッポン・ヴィジョンズ審査員賞は、草場尚也監督による重層的なドラマ『雪子 a.k.a.』に贈られました。本作は、内気な小学校教師がヒップホップを通して自らの声を見出していく物語です。審査員は、主人公のアイデンティティ探しと感情豊かなストーリーテリングを高く評価しました。本賞の副賞は、次回作品に対する字幕制作の無償提供で、日本映像翻訳アカデミー(JVTA)の協賛により、今年で15回目の提供となりました。
最優秀脚本に贈られるニッポン・ストーリーテリング賞は、今年が2回目の授与となりました。賞金1,000ユーロは、Storymaker Agency for Public Relationsの提供によるもので、近藤亮太監督の映画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』に贈られました。本作は、インディペンデント映画監督である近藤氏の長編デビュー作で、同氏は息詰まるような不気味なサウンドデザインで、Jホラーを見事に蘇らせ、同ジャンルの古典作品につながる作品を生み出しました。
さらに3つの賞は観客による投票で決定されました。20回目を迎えるニッポン・シネマ賞は、今年もフランクフルトのメッツラー銀行の協賛により提供され、賞金4,000ユーロが贈られました。受賞作は、 安田淳一監督の『侍タイムスリッパー』です。今や希少となった日本の時代劇というジャンルへのチャーミングなオマージュである本作は、すでに日本国内でも多くの観客を魅了しています。
第11回ニッポン・ヴィジョンズ観客賞は、八木順一朗監督の『怪獣ヤロウ!』が受賞しました。今話題の芸人ぐんぴぃを主演に迎えた本作で、監督は心温まるアウトサイダーの物語を描きました。なお、本作の初回上映はわずか数日で完売となりました。本賞は、フランクフルトの日本文化普及センターの協賛により提供され、賞金2,000ユーロが授与されました。
ニッポン・ドックス賞は、熊谷博子監督によるドキュメンタリー『かづゑ的』が受賞しました。監督は、ハンセン病を患いながらも決して意志の強さを失わなかった宮﨑かづゑさんの人生を、非常に繊細なタッチで描いています。今年で6回目となる本賞には、2,000ユーロの賞金が授与されました。
第26回ニッポン・コネクション日本映画祭の開催日程がすでに決定しました。2026年6月2日から7日まで、フランクフルトが再び日本映画の中心地となります。
「執着 - 情熱から狂気まで」を重点テーマとした企画の一環として、映画祭で上映された選りすぐりの作品が、今後数か月にわたりライン・マイン地域で上映される予定です。上映日程は映画祭公式ウェブサイト NipponConnection.com にて発表されます。
映画祭について
日本映画祭「ニッポン・コネクション」は、NPO法人 Nippon Connection e.V.によって運営されており、約100名のボランティアを中心としたチームによって組織されています。また、ヘッセン州科学研究芸術文化大臣のティモン・グレメルス氏、フランクフルト市長のマイク・ヨーゼフ氏、および在フランクフルト日本国総領事館の後援を受け、開催されています。オンライン・プラットフォームbetterplace.orgでは映画祭支援のキャンペーンが実施されています